トレーニング、身体、そして身体の動かし方について考えるサイトです。

楽な感覚だからといって身体が楽とは限らない

デスクワークが多い人は、よく腰痛に悩んでいる話を聞きます。

 

そのような人は、必ずといっていいほど、腰が丸くなり、背中全体が丸くなった状態で座っています。

 

腰、背中が丸くなっていると、背筋が背を支えるのに収縮し続けることになって負担をかけますし、上半身の体重が背骨に乗ってしまうため、関節や骨にも大きな負担をかけてしまい、痛みにつながります。

 

にもかかわらず、このような人はどうして、背中を丸くして座っているのでしょうか?

 

答えは簡単、それが「楽」だと感じているからです。

 

なぜ楽だと感じているのでしょうか?

 

それは、その背中を丸くした姿勢を長年続けており、その時使われる筋肉を使うのに慣れているからなんです。

 

同じ動き、姿勢が繰り返されると、脳がその状態をインプットしてしまいます。そのインプットされた状態で使われる筋肉は、何度も使うことになるため、脳からも容易に収縮信号を送りやすい、つまり、使いやすいのです。

 

一方、身体にとって楽な姿勢とはどのような姿勢でしょうか?

 

それは、関節や骨に余計な負担をかけない姿勢です。

 

図で示しましたので見てください。

座り方楽に感じる座り方(図の左側)では、重力に対して背中がそろっておらず、黄色で示した腰当たりに上半身の体重が乗ることになり、腰に大きな負担をかけます。ただし普段とることが多い姿勢なので、本人の自覚としては楽に感じます。

 

一方、身体にとって楽な姿勢は(図の右側)重力に対して背中が上半身がきれいにそろっており、体重は背骨を通して椅子にかかります。ですので、身体への負担は最小限で済みます。

 

但し、この座り方では、骨盤を立て、背骨の生理的湾曲を維持するための、腸腰筋、腹横筋僧帽筋下部、胸鎖乳突筋などの筋肉が使われる必要があります。

 

これらの筋肉を使うことに慣れていなければ、脳にとってはインプットされていないので普段以上の指令伝達が必要になるし、筋肉としても、あまり使われていないため、収縮力自体が弱い、持久力がないことも考えられます。そのため、本人の自覚としては、つらく感じます。

 

以上が、本人の感覚の「楽」と身体にとっての「楽」に相違が出てしまう原因です。

 

この相違を埋めるためには、身体にとって楽な姿勢をとるときに使われる腸腰筋、腹横筋、僧帽筋下部、胸鎖乳突筋などを使って、指令伝達を脳にインプットし、また、この姿勢をできるだけとり続けることによって慣れさせていくしかありません。

 

自分の座り方に対する、感覚の楽と身体の楽にずれが生じていないか、ぜひ確認してみてください。

 

トレーニングもそのような見方で見直すと、フォームが変わるかもしれませんよ。




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